(ω-6)n-6系と(ω-3)n-3系脂肪酸バランスと健康 | ||||||||||||
先に述べたように、n-6系 とn-3 の多価脂肪酸は、摂取のバランスが重要です。 日本では、体に良い植物油 として、 n-6系を中心とした植物油が食用に使われているため、日本人の多価脂肪酸の摂取の割合は n-6系:n-3系 = 4:1
となっています。 「体に良い植物油」の宣伝の中で n-6系植物油が取りすぎの傾向があります。 そのため、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、「n-6系脂肪酸は、摂取過多に伴う弊害を避けるために必要量以上の摂取しないこと」と書かれているほどです。 しかし、n-3系脂肪酸については「生活習慣病予防効果を引き出すための必要量を確保すること」を目標とした基準量が設定されています。 |
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● | 健康維持と病気予防のための n-6/n-3脂肪酸バランス | |||||||||||
n-3系(ω-3)の代表的な脂肪酸は α-リノレン酸です。 n-6系(ω-6)の代表的な脂肪酸は リノール酸です。 古来は、この2つの脂肪酸の摂取は1:1位の良好なバランスであったと考えられています。 しかし、近年の食の欧米化により、n-6/n-3比が 15〜16/1 まで変化しています。n-6系脂肪酸の取りすぎです。 その結果、動脈硬化、(本態性)高血圧、肥満、糖尿病、がん等各種の慢性疾患を増加してしまいました。 食事の生活習慣が、いかに疾病の発症に影響を及ぼすか、実証された結果です。 |
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、● | 理想のバランス n-6/n-3脂肪酸 = 4 : 1 | |||||||||||
どのようなバランスで脂肪酸を取ればよいのか・・・n-6/n-3脂肪酸の比では4:1位が理想と言われています。 植物油で見ると「菜種(なたね)油」などが、ちょうど良いバランスでしょうか。 | ||||||||||||
○ 心疾患症 一度心筋梗塞を起こした人の再発リスクを50%以上減らすために、n-6/n-3脂肪酸の比を減らすことが有効とされています。 ○ 炎症、免疫 近年、炎症反応は動脈硬化との関連で注目されています。 リノール酸(n-6)/α-リノレン酸(n-3) 比が 1 以下では、抗炎症作用や免疫抑制効果が見受けられます。 ○ がん(乳がん・直腸がん) 例えば、乳がんの発症リスクに n-6/n-3脂肪酸の比が影響する可能性についての示唆するデータがあります。 結腸直腸がんの増殖リスクについて n-6/n-3脂肪酸の比が影響する可能性について示唆するデータもあります。 ただ、これらの報告はコンセンサスが得られるまでには至っていないのが現状です。 ○ その他 リノール酸/α-リノレン酸= 4 : 5 比のカプセルを4週間摂取したアルツハイマー患者では、睡眠の質が改善し、さらには、人との協調性、気分や怒りの制御、食欲、短期間ですが記憶等が改善することが検証されています。 アトピー性喘息の患者らに、n-6/n-3脂肪酸 =2 : 1 の食事を続けさせた所、食事が改善したとの報告があります。 |
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