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2-4 アディポサイトカイン   
   僅か10年前、「一度動脈硬化になったらもう元には戻らない」と言われていました。
    「動脈硬化が進んだら人生終わりだ」
年齢を重ねて、動脈硬化が進行すると、それに関連して体に多くの弊害が起こり致命傷になるので、動脈硬化に
ならないように気を付けようという時代でした。
 しかし、今までの研究の成果で、「動脈硬化」をいくらかは改善できる事がわかってきたのです。これは朗報です。
アディポサイトカイン(Adipo-cytokine)・・脂肪細胞から分泌される「生理活性物質(ホルモン)」の中に、
動脈硬化に関わるものがあるのです。このアディボサイトカインには、体に良い影響、悪い影響を与えるものが
あり、その分泌には肥満であるかどうかの有無も関係があります。
主な アディボサイトカイ(脂肪細胞から分泌される「生理活性物質」)

肥満
善悪

 生理活性物質   
(アディボサイトカイン)  
  効果    特記
善玉  レプチン  レプチンは脂肪細胞から分泌され、脳の満腹中枢を刺激して食欲を抑える働きをもつ。  下のコラムへ
 アディボネクチン 分泌量が非常に多いサイトカイン。
傷ついた血管壁の修復を行い、動脈硬化を改善する。
TNF-α(下記)の分泌を抑制する。
インスリンの感受性を上げる。
<分泌>内臓脂肪増加(肥満)すると分泌量が減少する。
    内臓脂肪を10%減らすと(ダイエット)、分泌量が20%    程回復する。  
 
 悪玉 




   
 TNF−α
Tumor Necrosis Factor 
 
腫瘍壊死因子)
<善>マクロファージと共に作用し、体内の悪性腫瘍細胞等の   異物を攻撃する。
<悪>インスリン受容体の作業を阻害し、インスリンの働きを
  弱める。
<分泌>内臓脂肪増加(肥満)に伴い分泌量が増加する。
 TNFというと 一般的には−α型を指す
  PAI−1
(plasminogen activator inhibitor-1 
 プラスミノーゲン活性化抑制因子)
  血栓を作るように傾く。
<分泌>内臓脂肪増加(肥満)に伴い分泌量が増加する。
 
 CRP  炎症反応を引き起こす。  
 ビスファチン インスリン感受性の低下。
内臓脂肪の蓄積を促す。
 
 アンジオテンシノゲン 体内で酵素等の影響でアンジオテンシンUとなる。これは、血管収縮作用があり、血圧を上昇させる。
 <分泌>内臓脂肪増加(肥満)に伴い分泌量が増加する。
 
 レジスチン  インスリン抵抗性を上昇させる。 (反論説あり)
<分泌>内臓脂肪増加(肥満)に伴い分泌量が増加する。
 
 アンドロゲン 
 (主に男性ホルモン)
白色脂肪細胞の増加により分泌量が増加する。
性ホルモンのバランスが崩れ、性機能障害を引き起こす可能性がある。
 
 エストロゲン 
 (主に女性ホルモン)
 

 上記のように、近年の研究で脂肪(細胞)組織から様々な生理活性物質を分泌する事が判明してきました。
これらの生理活性物質には、「善玉」と「悪玉」に分類が出来ます。(コレステロールの「善玉」「悪玉」のようですね。
ただ、悪玉でも見方・機能によっては良い部分もありますし・・)
 アディポサイトカインの中でも血中に最も多く存在するのが善玉アディポサイトカインの「アディポネクチン」であり、
上記の記載のように、動脈硬化を改善する効果があります。 但し、この善玉である「アディポネクチン」は、
内臓脂肪が蓄積するほど(いわゆる太るほど)、分泌量が低下します。また、脂肪の蓄積により脂肪細胞の肥大化が
生じると機能異常を引き起こし、悪玉のアディポサイトカインを多く放出するようになります。(分泌異常
 
   
   コラム 
 ●食欲 〜 ホルモン 「レプチン」と 「グレリン」 
 生理活性物質  分泌箇所 働き   
レプチン   脂肪細胞 脳の食欲中枢を
刺激して・・
 食欲抑制
グレリン  胃  食欲促進
       

 
 
       
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 2013年6月
 

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